WTI原油 【見通し・予想・動向】イラン核合意の進展や制裁解除の可能性 ビットコインのパニック売りで原油価格が急落!! テクニカル分析・ファンダメンタルズ解説 CFTCポジション比較 2021年5月21日(金)の週を終えて
2021年5月17日(月)から5月21日(金)の週を終えて
WTI原油の最新の動向を解説します。
- API、EIAの最新の在庫の状況
- 1週間のファンダメンタルの出来事と値動きの解説
- テクニカルの分析
- 投機筋や個人投資家のポジション状況を見て市場心理の解説
これらの情報を総合的に分析して
今後のWTI原油の相場展開の見通しや予想を立てていきます。
この記事を最後まで見るメリットは
WTI原油の最新の動向をすべて把握できる事です。
たとえ途中から市場に参加したとしても
原油カテゴリにある記事を見直してもらえれば
1週間ごとの流れを記録しているので
容易に相場環境を認識する事ができると思います。
それでは、各章を見ていきましょう。
WTI原油 見通し 予想 動向(2021年5月21日(金)の週を終えて)
#WTI原油・俺ニカル分析
2021年5月21日の週を終えて欧州のロックダウン措置の緩和や
海外渡航の制限が緩和された事で
欧州経済の正常化に期待が寄せられて原油は買われたしかし、イランの核合意の進展やアメリカの制裁解除の可能性が浮上し原油価格は急落した
つづく pic.twitter.com/BGQmayFn98
— 旭(あきら)@生涯収支-528万円・石油トレーダー (@akira_asahi_38) May 22, 2021
上記ツイートで1週間の全体的な動向について述べていますが
この内容をもう少し深く掘り下げて、1つずつ解説していきます。
解説の流れは以下の通りです。
- 原油の在庫状況
- ファンダメンタル分析
- テクニカル分析
- ポジション状況
- 週の終値の動向
WTI原油の在庫状況
API在庫の状況
在庫の状況はイマイチ。
市場でもネタにされてないレベルの増減。
EIA在庫の状況
普通の増減で、あまりインパクトがない。
市場では忘れられてるレベル。
原油の在庫の状況 まとめ
原油の在庫で価格は動いてない。
WTI原油 ファンダメンタルズ分析
2021年5月17日(月曜日)から5月21日(金曜日)の1週間のファンダメンタルズの解説や値動きの動向をチェックしていきます。
この1週間の原油価格の上げと下げの要因を要約すると
価格が上昇した要因は以下のとおりです。
- 欧州圏での経済活動再開に期待が寄せられた事
- 値ごろ感で安値で買われた事
価格が下落した要因は以下のとおりです。
- イランの核合意交渉で重大な進展があったと報じられた事
- イランの制裁が解除される可能性が浮上した事
- ビットコイン市場がクラッシュした事
2021年5月17日(月曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
日本とロンドンタイムは戻り高値を売る感じ
アメリカタイムで安値から爆上げで東京とロンドン高値を上抜き!!
イギリスが約4カ月間ほど実施していたロックダウン措置を緩和。
映画館や劇場を含む娯楽施設の営業や一部の国、地域への海外旅行が解禁された。
フランスやスペインもワクチン接種の進行でロックダウン措置を緩和。
ポルトガルやオランダでは渡航制限が緩和された。
欧州圏での経済活動再開に期待が寄せられた形で原油が買われたようです。
安値64.82 → 終値66.37(+155pips上昇)
(21時台)
前の週の上昇の勢いに乗って押し目買いされたような感じですね。
2021年5月18日(火曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
前日の流れを引き継いで日本時間で買われ
ロンドン開始時間に天井を付けて
NY時間に向けてひたすら売り込まれた
日本時間の夜1時13分頃、イランの核合意交渉で重大な進展があったと報じられ
イラン核合意で19日に重要な発表がある見込みと報道された。
これをきっかけに売り込まれていた原油がさらに急落する展開となった。
イランの制裁が解除されれば、イラン産の原油が国際市場に流入して
需給が緩む可能性を嫌気して原油が売り込まれたようです。
その後、日本時間の夜1時46分頃に火消しするかのように、『まだ未解決の問題は残っている』
『イラン核合意交渉の事態打開にはまだ早い』とロシア代表者の話が出て来て原油は下髭になって
買い戻されてこの日を終えました。
高値66.99 → 終値65.25(-174pips下落)
(16時台)
67ドル台突破するか~と思いきや転落・・・。おしかったねぇ。
2021年5月19日(水曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
東京時間からNY時間までひたすら売られた日でした。
ビットコイン市場でクラッシュしたような大暴落が起きて
全市場がリスク回避の渦に巻き込まれた感じでした。
中国の金融業界団体が金融機関による暗号資産(仮想通貨)関連サービスの提供を禁止して、
投資家に対して暗号資産で投機的な取引を行わないよう警告したことが背景にある。
これが日本時間の7時15分頃に市場ニュースにながれていた。
日本時間の23時頃にようやく底打ち感だして24時台にリバウンド。
この日は日本時間夜中の3時からFOMC議事録要旨の公表があり、
警戒感からショートの利確が各市場で似たような動きとなっている。
FOMC議事録要旨の発表でテーパリングの議論が行われる可能性が指摘されドル買いが起きたが
原油は軽く上下に振って小動きなレンジで終了しました。
高値65.33 → 終値63.36(-197pips下落)
(7時台)
2021年5月20日(木曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
日本時間は前日のふらふらした流れを引き継いでジワジワ上昇
ロンドンタイム開始時間帯に天井を付け、そこから急落
NYタイムで買い戻しが入るが戻り高値を売り込まれ安値を更新して下に張り付いて終了しました。
イランの制裁が解除される見込みから欧州やインドの製油企業が
イラン産の原油の購入再開に向けてイラン国営石油会社と協議を進めている報道が嫌気されて
原油が売られているようです。
高値63.92 → 終値61.66(-226pips下落)
(16時台)
2021年5月21日(金曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
日本時間は安値圏でレンジを形成
ロンドン時間の17時に安値を更新からの一気にブチ上げ
NY時間も上げ継続で前日の高値を更新して終わる。
特にネタもなく、値ごろ感の安値拾いの買いで価格をブチ上げたようです。
安値61.54 → 終値63.85(+231pips上昇)
WTI原油 テクニカル分析
WTI原油の日足チャートをベースにテクニカル分析をしていきます。
1週間の価格動向ダイジェスト
- 前週の上昇の勢いに乗って66.58突破するもボリンジャーバンドの+2σ付近で跳ね返されてしまう
- その後、ストンとおちて62ドルまで行ってしまう
- 62ドル付近にボリンジャーバンドの-2σと75MAがありサポートされてリバウンドして週を終える
直近のレジスタンス
66.58 緑のライン
とりあえず直近では3回抵抗されている。
長い目で見ると4回は抵抗されている。
かなり強力なレジスタンスとなっている。
直近のサポート
62ドル オレンジのライン
75MAとボリンジャーバンドの2σがあり
週末にネタもなく値ごろ感だけで買い支えられたので
強めの買いが入る場所なんだと思われる。
WTI原油のCFTCのポシション状況を比較
週末に発表されるCFTCのポジション状況を記録して
合わせてiFOREXで見れる個人投資家のポジション状況を比較して
市場参加者の心理を紐解いて、今後の相場展開を予想していこうと思います。
基本的に個人投資家が多めに持っているポジションは負け易い傾向にあるので
それを基本概念に入れて市場心理を解説していきます。
WTI原油のCFTCのポジション状況
全体的にポジションが減っている。
特に大口の買いポジションが多めに減っているのが目立つ。
イラン核合意の進展や制裁解除の可能性が報道された時に
原油価格が急落したから、この手のネタで利確したんだろうね。
WTI原油の個人のポジション状況
場中で64ドル付近でロングポジションが多めなのを確認。
その後、イランネタやビットコインの急落で原油価格も大きく下げた。
そして62ドルからバウンドして63ドル付近で売り買いが拮抗したのを見ると
ロスカットと値ごろ感の買いが利確したところで週を終えたんだなと見て取れる。
WTI原油のポジション状況 まとめ
ここ最近の流れを見ていると
62ドル~66.58ドルのレンジなんじゃないかと思い始めた。
66.58より上は期待できないかも。
たぶんこの辺がFRBのインフレターゲットとして居心地がいいのかもしれない。
週の終値を比較
2020年12月04日 46.11 (+57pips上昇) OPEC会合で減産は徐々に解消だが、市場参加者はポジティブにとらえる
2020年12月11日 46.56 (+45pips上昇) イギリスで新型コロナワクチンの接種が始まる
2020年12月18日 49.03 (+247pips上昇) アメリカで新型コロナワクチンの接種が始まる
2020年12月25日 48.29 (-74pips下落)
2020年12月31日 48.18 (-11pips下落)
2021年01月08日 52.61 (+443pips上昇) バイデン政権+上院下院が民主党が制覇、サウジが自主減産発表、協調減産もおおかたの減産幅で合意
2021年01月15日 52.11 (-50pips下落) バイデン氏が発表した財政出動は織り込み済み、原油市場では需要の回復は見込めないとアナリストが言う。中国がロックダウンで原油価格が下落
2021年01月22日 52.06 (-5pips下落) バイデン氏の就任式後、頭打ちで下落。イエレン氏はバイデン氏の大規模政策を支持する意向
2021年01月29日 52.17 (-11pips下落) ロビンフッダーが大暴れして株式市場はネガティブな感じに。
2021年02月05日 56.95 (+478pips上昇) サウジ自主減産やアメリカで大雪に見舞われて需要が増した
2021年02月12日 59.61 (+266pips上昇)
2021年02月19日 58.93 (-68pips下落) アメリカの寒波の影響が収まり利益確定売りに。バフェット氏がシェブロンの株を購入
2021年02月26日 61.53 (+260pips上昇) アメリカの長期金利が爆上げで市場は大混乱
2021年03月05日 66.26 (+473pips上昇) OPECプラスが4月も協調減産を継続、生産も据え置き。サウジも自主減産続けるってよ
2021年03月12日 65.57 (-69pips下落)
2021年03月19日 61.42 (-415pips下落) IEAがスーパーサイクル論を否定。ゴールドマンがブレント原油80ドルに行くと予想
2021年03月26日 60.80 (-62pips下落) スエズ運河で大型コンテナ船が座礁
2021年04月01日 61.25 (+45pips上昇) スエズ運河の問題は解消。OPEC+が5月~7月に微増産するってよ。サウジも自主減産を徐々に辞めるってよ。
2021年04月09日 59.36 (-189pips下落) イランの増産懸念、OPEC+の微増産を再評価
2021年04月16日 63.07 (+371pips上昇) 中国輸入統計が良好で原油を爆買い!IEAとOPECが2021年の世界の石油需要見通しを引き上げ!
2021年04月23日 62.11 (-96pips下落) インドのロックダウンと日本の緊急事態宣言
2021年04月30日 63.46 (+135pips上昇)
2021年05月07日 64.83 (+137pips上昇) 中国の軍用機が台湾の防空識別圏に進入したとの報道
2021年05月14日 65.46 (+63pips上昇) アメリカのパイプライン最大手がサイバー攻撃によって稼働を停止。OPEC、IEA需要見通しは良好(供給不足の可能性を指摘)
2021年05月21日 63.85 (-161pips下落) イラン核合意の進展や制裁解除の可能性が浮上、ビットコインの急落で原油価格が大きく下落
まとめ
WTI原油の1週間の流れをまとめると以下のようになります。
- 欧州の経済状況が正常化する期待感で原油は買われた
- その後はイランの核合意の進展や制裁解除の可能性が浮上し原油価格は急落
- またビットコインの急落もあり市場全体がパニック売りになった事から原油も巻き込まれて価格が下落した
- 週末は値ごろ感の買いが入り、何のネタもなく大きくリバウンドして週を終えた
- 大口は大量のロングポジションを解消している
- 個人投資家は狼狽売り買いしてポジションが50%フラットになる
66.58のラインで3回抵抗にあっている。
ここより上を超えるのは厳しいのかもしれない。
とりあえず62ドル~66.58のレンジで見ておくのが無難なのかも。
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