WTI原油【価格競争が激化するとの懸念で大暴落】テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析 CFTCポジション比較から相場を予想 2020年3月20日(金)の週を終えて
2020年3月20日(金)の週を終えて
WTI原油のチャートとCFTCの大口の動向、そして個人のポジション状況を見ながら
相場の分析をしていきます。
チャンスがあれば海外ハイレバ口座と国内先物口座を利用して、トレードしていくつもりでいます。
それでは、各章の状況を見ながら、相場を予想していきます。
WTI原油 テクニカル分析と大口と個人のポジションから相場の強弱を予想(2020年3月20日(金)の週を終えて)
#WTI原油・俺ニカル分析
— 堅実なる投機家@-491万7112円・原油相場で負けた男 (@kenjitutouki) March 21, 2020
2020年3月20日の週を終えて
・1週間で1000pipsの大暴落😱
・個人は80%が買いで含み損を抱えてる状況😱
・大口は売りポジ7万減(決済か🧐
・在庫はガソリンと留出油が減少傾向
・リグ稼働数がようやく19基下げた🧐
週末戻り売りされてるのが気になる
20ドルの節目を割るか? pic.twitter.com/XpYKkKT45C
上記ツイートで大枠について述べていますが
この内容をもう少し深く掘り下げて解説していきます。
WTI原油の在庫状況
API在庫の状況
- 原油在庫が6週ぶりに減少しました。
- ガソリンと留出油は相変わらず減少傾向にあるようです。
- クッシング在庫は僅かに増えました。
EIA在庫の状況
- API在庫とは違い、原油在庫は増えました。
- API同様に、ガソリンと留出油は相変わらず減少傾向にあるようです。
リグ稼働数はようやく19基減りました!!
さすがに原油価格が大暴落しているので、原油を抽出するのを諦め始めたのかもしれません。
(いや遅くないですか…w)
WTI原油のCFTCのポシション状況を比較
3月10日と3月17日の比較
- 大口の売りポジションの解消が目立ちます(前週比-67,588)
- 大口の買いポジションは僅かに減りました(前週比-14,748))
WTI原油の個人のポジション状況
3月10日と3月17日の比較
個人はさらに買いポジションを増やして
含み損を抱えてる状況です。
(8%買いが増加し80%が買い保有中)
2016年の安値を割れて週を終えているので
さらなる暴落を警戒する必要があると思います。
WTI原油 テクニカル分析
2016年の大暴落の安値26.03 赤い線
ここを週末に戻りを売られて週を終えました。
2回戻り売りされているので
サポートがレジスタンスに切り替わったと思われます。
つまり26.03が当面の直近レジスタンスになると思われます。
直近のサポートライン
3月16日から3月20日の週につけた安値20.04 黄色の線 (3月18日につけた安値)
ここが直近のサポートとして意識されると思います。
もし下に割れてくるようだと、10ドル台を目指す展開になると思われます。
2次サポートゾーン
いよいよ10ドル台に突入したか…という時のための
サポートゾーンになりうる場所です。
緑の線 2本の間
- 15.06
- 16.70
ゾーンとしたのは、この2点間で上昇の起点となっている場所が
多く存在したからです。
なおかつ約1ドル圏内にいるので、ラインというより
ゾーンで見たほうがいいと思ったからです。
15.06のサポート2つの要因
- 1988年11月、12月で反転上昇を開始した陽線と始値・安値のライン
- 1990年6月の暴騰直前の押し安値
16.70のサポート2つの要因
- 1999年4月、5月、6月の暴騰の直前のレンジ安値
- 2001年11月の押し安値
市場2番目の安値 兼 大暴騰のサポート
WTI原油の歴史の中で、2番目に安い値が12.28 ピンク色の線
この場所で2点ほど暴騰の起点となった場所があります。
- 1988年10月の安値 ここから反転上昇
- 1999年3月 始値がほぼ安値になって暴騰した価格
最終サポート 市場最安値
WTI原油の歴史の中で、1番安かった値が10.35 赤い線
1999年12月の安値、月足だと十字足で終わっているが
ここから2年かけて原油が大暴騰した安値でもあります。
高値は37.38ドルまで上昇し、2745pips上昇する事となりました。
さて、1986年7月にも赤い線に近い安値10.65があります。
赤い線にわずかに届きませんが、ここも暴騰する事になった価格でもあるので
ここで合わせて紹介しておきます。
この安値を起点に1990年10月まで上昇していきました。
高値で41.15ドル、3050pipsも上昇しました。
期間は4年後なので、すぐという訳ではなさそうです。
WTI原油 ファンダメンタルズ分析
2020年3月16日(月曜日)から3月20日(金曜日)の週のファンダメンタルズを分析していきます。
3月16日(月曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
アメリカが緊急利下げをするが、FRBパウエル議長が『今年の4-6月期の経済は、おそらく弱くなる』という見解を示した事からコロナウイルスによる経済の落ち込みが懸念されて、原油の需要も落ち込むと連想されたことから
原油が売り込まれました。
中国の鉱工業生産が13.5%減と1990年1月以来の大幅な下落と
アメリカのニューヨーク連銀製造業景気指数が-21.5と2009年3月以来の低水準に落ち込んだ。
これを受けて経済の先行きが危ういと判断され、原油の需要も落ち込むと予想されたことから
原油が売り込まれた。
この事から、サウジアラビアとロシアによる『価格競争』がしばらく続くと予想され、原油が売り込まれた。
トランプ大統領が戦略石油備蓄(SPR)の積み増しに向けて原油の購入量を増やすと発表しました。
しかし、ゴールドマンサックスの分析によると、
SPRの購入量は日量50万バレル程度であり
と指摘された。
これを受けて、失望感から原油が売り込まれた。
始値がほぼ高値となり33.29 → 安値28.08を付ける。
(521pipsの下落↓↓↓)
30.18を下割れて終了しました。
3月17日(火曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
前日の不安要素から原油は弱気で売り込まれる。
イギリスの調査会社IHSマークイットのレポートでは世界の石油余剰が今年前半で過去最大に積み上がると予想された。
この事から、石油需要が減っているのに、在庫が増えるとの事で
原油が売り込まれた。
高値28.46 → 戻りを売られ、先週の下髭を刈り安値更新26.59
(187pips下落↓↓↓)
3月18日(水曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
サウジアラビアが過去最高水準の原油供給を続けると発表した。これを受けて原油の供給過剰が長期化すると懸念され
原油が2016年の大暴落の安値26.03を下割れてしまう。
月曜日の章で書いたが、この日はOPECと非加盟国の会合が予定されていた。
しかし、この日、会合が開かれない事、そしてサウジの最高水準の原油供給、
これらが合わさった事で、サウジとロシアの価格競争激化を連想させ
原油が売り込まれる要因となってしまった。
さらに追い打ちをかけるように
欧州ではコロナウイルスの感染拡大を防止するために、外出の自粛や店舗の休業が相次いでいる。
アメリカではカナダ国境の一時閉鎖と欧州連合では入域禁止措置をそれぞれ決めた。
この事からコロナウイルスが経済減退を招き、原油の需要が落ち込むと予想され
原油が売り込まれた。
始値・高値27.21 → 安値20.04
(717pips下落↓↓↓)
3月19日(木曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
トランプ大統領がサウジアラビアに産油量の削減を求める事を検討している
と報道された事で安値を拾う動きがでた。
安値21.03 → 高値27.68(668pips上昇↑↑↑)
しかし、戻りを売られ26.03を回復する事ができなかった。3月20日(金曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
世界各国がコロナウイルス感染拡大の防止のため
外出禁止や国境の一時封鎖などで経済活動が縮小するとの見方から
原油の需要が落ち込むと懸念され原油が売り込まれた。
アメリカがサウジアラビアに高官を派遣すると報道があったが
高値で戻りを売られている。
高値28.46 → 安値22.37 (608pips下落↓↓↓)
結局、26.03を回復する事ができず週を終えてしまう。週の終値を比較
2020年3月13日 33.25
2020年3月20日 23.40 (985pips下落↓↓↓)
まとめ
WTI原油が大暴落した流れをまとめると以下のようになります。
- 水曜日にOPECと非加盟国が会合を開く予定だったのが開かれなかった
- さらにサウジアラビアが過去最高の原油を供給すると発表し、長期的に在庫が積みあがる懸念が出た
- コロナウイルスの影響が欧州へと広がり、経済に影響を及ぼす事から、原油の需要が減る事が予想され原油が売られた
- トランプ大統領が戦略石油備蓄を増やすために石油を購入すると発表したが、国際原油供給量にも届かないと指摘され原油の失望売りに繋がった
- 大口のポジションを見ると売りが大量に減っている
- 個人はこの状況で買い増しをして含み損を抱えている
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