【中東の王様】サウジアラビアの野望 – 原油80ドル目指すと意気込み!!輸出削減第2弾を発表!!
2019年1月7日(月)にWTI原油価格が49.7ドルの高値をつけた。
この上昇の要因は
- 原油の輸出を削減する計画を発表したこと(2回目)
- 大規模な財政出動の資金を確保するため原油価格目標を80ドルと定めたこと
これら2つの要因が挙げられる。
さすが産油国家の中でも大きい国であるサウジ。
これまで散々原油価格が下落して
まさか前回の大暴落でつけた安値26ドルという悲劇を
味わいたくないんだろうなと思いました。
さてWTI原油のチャートを見て
どれほど下落したのか見てみましょう。
2018年10月3日の高値76.88ドルから
2018年12月24日に安値42.34ドルまで下落しています。
たった2ヶ月で34.54ドル(3454pips)も下落したんです。
ここまで下落してもアメリカのトランプ大統領は
ツイートでもっと原油が安くなる事を望んでいるようです。
でもアメリカって1位、2位を争うほどの
産油国家として成長してきたのに更なる下落を望んだら
アメリカの石油企業が死んでしまうと思うんですがね…。
大丈夫なのでしょうか?
さて、サウジアラビアにとって原油価格が80ドルというのは
国家運営的に望ましい価格なのでしょうか。
去年も80ドルくらいが妥当と言っておられたので
この辺が丁度良い価格帯なんだろうなと察します。
しかし、この価格に持っていくには
いくつかの試練を乗り越える必要があります。
テクニカルとファンダメンタルの両方の視点から見ていきましょう。
テクニカルチャート サウジアラビアが原油価格80ドルを目指すための試練
こちらの画像をご覧ください
49.30ドルは50ドルから54ドルのレンジ相場だったころの下限のライン
つまりここを実態ベースで下から上へ突き上げた場合
直近ターゲットが52ドルの週足200日線となる。
52ドルもわりと意識される位置で
何故かと言うと、ここを頭うちに50ドル割れへと導いたところだからである。
つまり49.30ドルを上抜けしたら、
次は52ドルがターゲットになり
その次は54ドルあたりになるんじゃないかと思われる。
あとはゾロ目トレーダーが注目している55.55ドル友の会にも
節目として機能しそうな抵抗がある。
サウジが80ドルを目指すには49.30ドル、52ドル、54ドル、55ドル
この4つの抵抗を上に抜ける必要がある。
それなりにイベント節目をかいくぐって来た抵抗であり
ここを抜けるには強気のネタがなくてはならないと思われる。
ファンダメンタル サウジアラビアが原油価格80ドルを目指すための試練
ここからはファンダメンタルの観点から80ドルを目指すための試練を
考察していこうと思う。
2018年12月に決めたOPEC協調減産をきちんと遂行できるのか?
2018年12月にOPECと非加盟国が揃って会議を開き
2019年の原油減産規模について協議が行われた。
しかし会議はOPECだけではまとまらなくて
非加盟国のロシアとの譲歩が無いと
結果が出るまでに時間がかかった事から
OPECの影響力が乏しくなったと感じた人もいるのではないだろうか?
減産量を120万(加盟国80万、非加盟国40万を6ヶ月間)のサプライズ数字を出したものの
WTI原油は54ドルで頭打ちとなって50ドルを割れて
42.34ドルまで下落していった…。
ここで囁かれた事は
- OPECの影響力が薄れている事
- 本当にOPECと非加盟国は減産を順守できるのか?疑問であること
- 大国アメリカの原油在庫が増え続けている事(OPEC会議にはアメリカはいない)
これらの不安要因からWTI原油は50ドルから上昇に傾く事はなかった…。
なので市場にアピールする必要がある。
そのためにはOPECと非加盟国が減産を順守してますよって言うのを
データを出してアピールし続けなければならない。
そしてアメリカの在庫量を減らす事ができれば
上昇に期待が持てると思われる。
アメリカ経済の行方
さてOPECと非加盟国の減産だけでは難しいのが
原油価格はアメリカ経済や中国経済の良し悪しによっても決まることである。
原油は経済が先行き見通しの悪化で株価が下落すると
需要が薄れるとの懸念から原油価格が下落する。
つまりアメリカや中国の景気にも気を配らないといけないのが辛いところ。
最近の動向を見る限りだと株価の下落が需要低下を引きおこし
原油価格の上昇を押さえ込んでる事が多い。
なので株価も上昇してくれないと厳しいという事になる。
直近で言うとアメリカと中国の貿易戦争が焦点になるのではないだろうか。
これがひと段落つかないと原油価格が積極的に上昇するのは厳しいかもしれない。
ダウ30のチャートを見てみよう。
チャートを見ると一旦は底打ちして上昇している感じはあるが
アメリカ経済のリセッション懸念があるので
このまま回復するかどうかは不明である。
目安としてダウ30は24000ドルより上に行ってくれると
安心感が広がるかなという感じですかね。
イランの原油輸出ゼロ制裁が再開されるのか!?影響力は!?
2018年はイランの原油輸出ゼロというアメリカが経済制裁をする理由で
原油価格は70ドルを超える暴騰を見せました。
しかし実際は2018年の10月にイラン制裁は緩和され
半年間延長という事になりました。
つまり2019年3月か4月あたりにイランの原油輸出ゼロ制裁が
再開される事になりますが
アメリカは本当にイランの原油輸出をゼロにする事ができるのでしょうか?
その前に原油価格にどれほどの影響があるのかが不明です。
ゼロ制裁の不安に煽られて事実の前に価格が動くのか
それとも事実を確認してから価格が動くのか
不透明要素が多いので原油価格と市場参加者の反応を追っていく必要がありますね。
おわりに
原油価格は景気指標としても使われるし
経済の先行きが怪しくなると売られるしで
需給以外のネタで価格が激しく上下します。
取引される場合はリスクを考慮した上で余裕のある資金でしましょう。
それではみなさんの爆益を願って締めくくりたいと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません