ダウ30【見通し・予想・動向】ウォーレン上院議員の発言で30000ドル割れ アメリカ経済が再び陰りを見せ始める テクニカル分析・ファンダメンタルズ解説 CFTCポジション比較 2021年1月29日(金)の週を終えて
2021年1月25日(月)から1月29日(金)の週を終えて
アメリカ株式市場とダウ30の最新の動向を解説します。
- アメリカの株式市場とダウ30の1週間のファンダメンタルの出来事と値動きの解説
- テクニカルの分析
- ダウ30とSP500の投機筋や個人投資家のポジション状況を比較して市場心理の解説
これらの情報を総合的に分析して
今後のダウ30の相場展開の見通しや予想を立てて行きます。
この記事を最後まで見るメリットは
アメリカの株式市場の最新の動向や
景気に敏感な株価指数を取り扱うので最新の景気の動向をすべて把握できる事です。
もし途中から市場に参加したとしても
ダウ30カテゴリにある記事を見直してもらえれば
1週間ごとの流れを記録しているので
容易に相場環境を認識できると思います。
それでは、各章を見て行きましょう。
ダウ30 テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析 CFTCポジション比較から相場の強弱を予想(2021年1月29日(金)の週を終えて)
#ダウ30・俺ニカル分析
2021年1月29日の週を終えてロビンフッダーの煽り買いとファンドの損失計上で
コロナショックで得た利益全てを吹き飛ばした個人投資家はこの下落でアメリカの主要株価指数が
(ダウ30、SP500、ナスダック、ラッセル2000)
すべて買いに転換(日経225は売りさらなる下落を警戒 pic.twitter.com/CrAXHFLaOY
— 引退間近・堅実なる投機家@-500万円・原油と株とFXで負たトリプル3の男 (@kenjitutouki) January 30, 2021
上記ツイートで1週間の全体的な動向について述べていますが
この内容をもう少し深く掘り下げて、1つずつ解説していきます。
解説の流れは以下の通りです。
- ファンダメンタル分析
- テクニカル分析
- ポジション状況
- 週の終値の動向
ダウ30 ファンダメンタルズ分析と値動き
2021年1月25日(月曜日)から1月29日(金曜日)の週のファンダメンタルズを分析していきます。
この1週間でインパクトがあった出来事は
- 新型コロナワクチンの普及に陰りが出始めた
- ボーイングが過去最大級の大赤字を発表した
- ロビンフッダーが買いを煽り、空売りしていたヘッジファンドが損して持ち株を売却し始めた
- FOMCで実質失業率は10%くらいあると公言した
- 民主党のウォーレン議員がファンダメンタルを反映した株価を求めると証券取引委員会(SEC)に訴えた
2021年1月25日(月曜日) ダウ30のファンダメンタルズ分析
ドイツの保健相がロックダウンの緩和措置に懐疑的な見方を示したり
イギリスのジョンソン首相が新型コロナウイルスの変異種の死亡リスクを発表したりで
欧州株が新型コロナウイルスに対する懸念から軒並み下落してリスク回避の雰囲気をかもしだしてました。
その後、製薬会社のメルク社が新型コロナワクチンの2種類の開発を停止するとの発表を受けて
新型コロナワクチンの給付懸念が台頭し、アメリカの株式市場は売りが殺到しました。
その後はバイデン大統領が政府調達でアメリカ製品を優先する『バイ・アメリカン条項』の
抜け穴をふさぐ大統領令に署名する事を背景に
株価は安値から大きく買い戻される動きとなりました。
先週に出たネットフリックスの好決算で株価の爆上げを背景に
情報技術系の株価の決算が期待されてナスダックが最高値を更新しています。
またマイクロソフトのクラウド事業が2021年にさらに拡大する見通しとの情報をもとに
目標株価を引き上げている情報が出ているようです。
このため、ネットフリックス以外の情報系の大型株は期待感で買われているようです。
安値30570.39 → 終値30974.53(+404.14pips上昇)
2021年1月26日(火曜日) ダウ30のファンダメンタルズ分析
複合企業スリーエム(3M)や医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の上昇に支えられました。
複合企業3Mは新型コロナウイルスの感染拡大する中でコスト削減に励み
使い捨ての保護マスクや消毒剤の需要が寄与して2020年第4四半期の利益が予想を上回る結果となりました。
ジョンソン&ジョンソンは新型コロナワクチンの臨床データを来週初めに報告するという事で
期待感から買われているようです。
しかしクレジット会社大手のアメリカンエキスプレスが4%クラスの下落を見せており
新型コロナの影響による個人消費の減少が経済の先行き懸念となっているようです。
前日、大きな下髭を付けたダウ30ですが
この日は十字足で引けています。
この日、FOMCとパウエル議長の発言がありましたが
メディアでは触れていませんが、アメリカの実質失業率は10%に近いと公言しており
意外と雇用が弱い事を表していると思われます。
この辺も経済の先行きが暗い事を意味しているのではないかと思い
先行き不安から株を売却している向きもあります。
始値30974 → 終値30962(-12pips)
2021年1月27日(水曜日) ダウ30のファンダメンタルズ分析
この日ダウ30は大きく下落し、過去3カ月間で最大の下落率となりました。
航空機大手のボーイングの2020年第4四半期の決算発表があり
純損益が84億4000万ドルの赤字で
2020年通年の赤字も過去最大の119億4000万ドルに拡大しました…。
これを受けてボーイングが下落し、ダウ30の下落を牽引しました。
またロビンフッダーがゲームストップ株を煽り買いして空売りしていたヘッジファンドを損させたことで
損失計上から持ち株を売却するハメとなり、株式市場は売り圧に押されて下落しました。
高値30997.45 → 終値30270.53(-726.92pips下落)
2021年1月28日(木曜日) ダウ30のファンダメンタルズ分析
前日、ロビンフッダーが色々と株の価格を操作していたことを受けて規制が入り
ヘッジファンドの保有株売却の懸念が後退して買い戻しの動きから
株価全般的に上昇しました。
ただ最後はそこそこ大き目な上髭を付けて引けています。
安値30064.75 → 終値30555.54(+490.79pips上昇)
2021年1月29日(金曜日) ダウ30のファンダメンタルズ分析
この日は要人発言で株価が売り込まれる結果となりました。
ウォーレン上院議員(米民主党)が
『(米証券取引委員会に対して)株価が企業のファンダメンタルズを反映するように行動を求める』
この発言を起因として、これまでの経済対策の期待感で上り詰めた株価に
冷や水を注ぐような発言が出て来て、株価は安値で反発していたのにも関わらず
売りに押される結果となり、最後にダウ30は30000ドルを下に割れて終わる結果となりました。
また証券取引委員会(SEC)は
特定銘柄の取引を「不当に阻害する」可能性のある行為を調査し、不正行為を注意深く監視していくと発表。
株価の極端なボラティリティーは投資家に急速かつ深刻な損失をもたらし、市場の信頼を損なう可能性がある
との見解を示し、株式市場は現在の株価水準は吊り上げられた可能性があるとの認識から
株価は売り圧力に押されていきました。
さらにヘッジファンドなどが空売りなどで数十億ドルの損失を出した事で
損失計上のため優良銘柄の売却に動きアップルやマイクロソフトなどが売られているようです。
ちなみにSP500構成銘柄で決算発表した184社のうち
利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は84.2%だったそうです。
過去4四半期の平均は75.5%なので、予想はいい感じです。
(リフィニティブ調べ)
高値30634.79 → 終値29966.24(-668.55pips下落)
ダウ30 テクニカル分析
ダウ30の日足チャートをベースにテクニカル分析をしていきます。
1週間の価格動向ダイジェスト
- 週の始めに下落したが上昇ウェッジのラインで買い戻される
- その後、5日線と転換線の中で十字足となり、次の日に大きく下落し基準線を下抜けて終わる
- ボリンジャーバンドの-2σで大きく反発をしたものの、結局、5日EMAと転換線の上を維持できず戻り高値を売られる
- 最終的に基準線の上に戻す事ができず30000ドルを割れて週を終えてしまう
直近のサポートゾーン
29594.20 もしくは75EMA
29987.22のラインを割れて週を終えているので、サポートの可能性は次のラインかなと。
ただ怖いのが、民主党の議員がファンダメンタルの評価した株価を求めると
証券取引委員会に訴え出てるので、このラインすらも怪しくなってきている。
オーバーシュートの可能性を見ておいた方がいいかもしれない。
直近のレジスタンスライン
31147 水色のライン
30900 上昇ウェッジのライン
31147は週の終値で日足でダブルトップを見せたところ。
30900は上昇ウエッジのラインと1時間足の200EMAで戻り高値を売られたところ
ダウ30とSP500のCFTCのポジション比較
ロビンフッダーの煽り買いを受けてヘッジファンドが損失計上で株を売却という報道から
大口の売りポジションがすこぶる増えている…。
SP500構成銘柄184社の第4四半期の決算はアナリスト予想より良いのに
この売りの多さは何かヤバイ雰囲気を感じる。
株かも大きく下落しているし、売りが売りを呼ぶ状態だけは警戒したほうがいいと思います。
ダウ30とSP500の個人のポジション比較
ロビンフッドによって損失計上に追い込まれたヘッジファンドは売りが多いのに対して
個人投資家は買いが多い…。
この株価の下落を押し目と見て買い向かってるのでしょうか…。
かなりの危険信号だと思います。
僕のロングポジションはゼロカットに近い損切りを入れました…。
来週やばそうだなぁ…。
ダウ30のポジション状況 まとめ
ロビンフッダーの煽り買い報道から大口は大量の売り。
個人投資家はこの下落を押し目買いと見て買い向かっている。
ダウ30は週の終値2021年1月と2020年12月の終値を全部下に抜いています…。
どちらが勝つかは・・・神のみぞ知ると言っていいのだろうか。
コロナショックの時は2カ月分の終値を月末に下抜けて
次の月も流れにそって大暴落を引き起こしました。
その流れと似ている気がする…。
週の終値を比較
2020年12月04日 30169.22 (+230.43pips上昇) 最高値を更新!30000ドルを突破!新型コロナワクチンの実用化期待と追加経済対策が速まるとの期待感で
2020年12月11日 30051.95 (-117.27pips下落) イギリスで新型コロナワクチンの接種開始
2020年12月18日 30284.56 (+232.61pips上昇) アメリカで新型コロナワクチンの接種開始
2020年12月25日 30231.38 (-53.18pips下落) 新型コロナウイルスの変異種が確認されEU各国でロックダウン措置が取られる
2020年12月31日 30420.14 (+188.76pips上昇) 最高値を更新 9000億ドル規模の新型コロナ追加対策法案が可決
2021年01月08日 31147.76 (+727.62pips上昇) 最高値更新 バイデン氏が次期大統領に承認される。上院決選投票で民主党が勝利。上院下院+大統領ともに民主党となる
2021年01月15日 30780.08 (-367.68pips下落) バイデン氏の景気刺激策は時前に発表されていたので、利益確定売りのネタに使われて終わる
2021年01月22日 31029.06 (+248.98pips上昇) バイデン氏の大統領就任式後に頭打ちで下落。女性初の財務長官イエレン氏はバイデン氏の大規模政策を支持
2021年01月29日 29987.22 (-1041.84pips下落) ロビンフッダーがヘッジファンドを追い込み損失計上で株価が暴落
まとめ
ダウ30の相場状況をまとめると
- 欧州で新型コロナウイルスの変異種やロックダウン緩和懸念で不安が広がり欧州株は軒並み下落
- アメリカンエキスプレスで個人消費の落ち込みが目立ったことやFOMCで実質失業率は10%と公言したこともあり景気の先行き不透明感が広がる
- ボーイングが過去最大の大赤字を発表しダウ30の下落を牽引する
- ロビンフッダーが煽り買いをしてゲームストップ株が暴騰。それによって空売りをしかけていたヘッジファンドが損をして損失計上で持ち株を売却するハメに
- 民主党のウォーレン上院議員がファンダメンタルを反映した株価を求めると証券取引委員会(SEC)に訴え出た事で株価が大きく下落してダウ30は30000ドルを割れる
- 証券取引委員会(SEC)も株価を不当に阻害する行為は関するとの意向を示している
- 大口は大量の売りポジションを新規に追加
- 個人投資家は押し目と見て買いを多めに入れている
とんでもない事になったね。
僕はこの下落でゼロカットに近い損切りをしました。
コロナショックで得た利益をここで全部吹き飛ばしました。
最後の最後に、ボーナスの残りカスを利用して1枚(0.1*10枚)ロング入れました。
たぶん週明けにゼロカットすると思います。
ウォーレン上院議員だけは絶対に許せないし
もし、こいつのせいでダウ30が大暴落してアメリカ経済が再び落ち込んで
さらに債務が拡大するハメになったなら処罰されれるべきだわ。
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