WTI原油 【見通し・予想・動向】中国ロックダウンで原油価格が下落…エクソンモービルのシェール資産が過大評価で告発されエネルギー株全体が弱気ムードに テクニカル分析・ファンダメンタルズ解説 CFTCポジション比較 2021年1月15日(金)の週を終えて
2021年1月11日(月)から1月15日(金)の週を終えて
WTI原油の最新の動向を解説します。
- API、EIAの最新の在庫の状況
- 1週間のファンダメンタルの出来事と値動きの解説
- テクニカルの分析
- 投機筋や個人投資家のポジション状況を見て市場心理の解説
これらの情報を総合的に分析して
今後のWTI原油の相場展開の見通しや予想を立てていきます。
この記事を最後まで見るメリットは
WTI原油の最新の動向をすべて把握できる事です。
たとえ途中から市場に参加したとしても
原油カテゴリにある記事を見直してもらえれば
1週間ごとの流れを記録しているので
容易に相場環境を認識する事ができると思います。
それでは、各章を見ていきましょう。
WTI原油 見通し 予想 動向(2021年1月15日(金)の週を終えて)
#WTI原油・俺ニカル分析
2021年1月15日の週を終えて11カ月ぶりの高値53ドルを回復したが
バイデン氏の財政出動1.9兆ドルの材料出尽くし
欧州政局不安やECBのユーロ高牽制発言
インフレ率の低下懸念を背景にドル高になり
原油が売られている個人投資家は売り→買いに転じたので
下押しを警戒したい pic.twitter.com/gZqFFMFjlm— 堅実なる投機家@-486万円・原油相場で負けた分を取り戻し中 (@kenjitutouki) January 16, 2021
上記ツイートで1週間の全体的な動向について述べていますが
この内容をもう少し深く掘り下げて、1つずつ解説していきます。
解説の流れは以下の通りです。
- 原油の在庫状況
- ファンダメンタル分析
- テクニカル分析
- ポジション状況
- 週の終値の動向
WTI原油の在庫状況
API在庫の状況
EIA在庫の状況
原油の在庫の状況 まとめ
ガソリンや留出油の在庫は増えていますが
あまりネタにはされてないようでず。
原油在庫の減り具合のみ市場ではネタにされ
現在はポジティブに受け取っているようです。
WTI原油 ファンダメンタルズ分析
2021年1月11日(月曜日)から1月15日(金曜日)の1週間のファンダメンタルズの解説や値動きの動向をチェックしていきます。
この1週間でインパクトのあった出来事は
- バイデン氏の財政出動計画1.9兆ドル規模の発表があったものの、時前に2兆ドル規模と出ていたことで材料出尽くしで売られる
- バイデン氏の財政出動1.9超ドルは原油の需要を押し上げるには不十分との見方がアナリストで出ている
- 中国が新型コロナウイルスの感染者の増加を受けてロックダウン措置を取る
- エクソンモービルの所有するシェール資産が課題評価されていると告発を受け証券取引委員会(SEC)が調査を開始した事
- FRBパウエル議長の講演で厄介なインフレや不均衡が来ない限り、利上げはしないと発言
2021年1月11日(月曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
バイデン政権で大規模な政府支出となる期待感から米長期金利上昇でドル高となっており
ドルの上昇と金利上昇によって原油価格は割高と判断され上値を抑えられた形となりました。
市場参加者は、FRBが予想よりも早く2023年に利上げに着手する可能性があると見ているようです。
(でもFRBは当初の予定も2023年だったはず…)
高値52.68 → 終値52.16(-52pips下落)
2021年1月12日(火曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
新型コロナウイルスの感染が懸念されて売られてはいたものの
コンサルティング会社リスタッドの分析で
アメリカのシェールオイル・ガス企業は1バレル30ドル~40ドル台前半の価格レンジで利益を得られる見通しを立て
2021年の原油価格の上昇は企業収益を32%増加させる可能性があるらしいです。
サウジの自主減産とアナリストの分析により
需要面や企業収益にポジティブな事から原油価格は上昇しています。
原油価格はひさびさに53ドルをつけました。
週足の200SMAを少し上に抜けた感じになっています。
安値52.05 → 終値53.26(+121pips上昇)
2021年1月13日(水曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
ドル高を背景に高値を売られて冴えない動きで終了しました。
またトランプ大統領の弾劾訴追に向けた審議が行われ
バイデン政権の大規模な政策の議論が遅れるのではないかという思惑から
景気敏感株が売られ、エネルギーや素材、工業株などが売られた事で
原油価格にも波及して冴えない動きになっているようです。
高値53.90 → 終値52.84(-106pips下落)
2021年1月14日(木曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
中国の原油の輸入が良かった事、EIAの在庫統計の原油在庫が減った事、
アメリカの次期政権が打ち出す景気刺激策で需要が上がる見通しから
原油価格は上昇しました。
また、日本時間の夜中にFRBパウエル議長の講演があり
インフレ2%を超えるのを確認したいようで
厄介なインフレや不均衡が来ない限り、利上げはしないと発言。
また、価格1回限りの上昇をインフレとは言わないと発言した事や
利上げ時期はまったく近くないと発言した事を受けて
夜中は原油は買われる動きとなりました。
安値52.23 → 終値53.70(+147pips上昇)
2021年1月15日(金曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析と価格の動向
中国の複数の都市でロックダウン措置が取られた事が嫌気され原油は売られました。
また株式市場ではエクソンモービルが所有する南部パーミアンのシェール資産が
過大評価されているとの告発を受けて証券取引委員会(SEC)が調査を開始した事が嫌気され
エネルギー株が全体的に売られてる状態になっています。
アナリストによるとバイデン政権が発表した1.9兆ドル規模の新たな景気対策案は
原油の需要を押し上げるには不十分との見方が出ているようです。
これらの情報が嫌気され原油価格は高値から撃ち落とされる形で売られ
週始めの終値を僅かに下に抜けて週を終えました…。
高値53.81 → 終値52.11(-170pips下落)
WTI原油 テクニカル分析
WTI原油の日足チャートをベースにテクニカル分析をしていきます。
1週間の価格動向ダイジェスト
- 週の初めから上下動を繰り返しながら、ボリンジャーバンドの+2σにそって上昇を継続し高値を更新する
- その後は53.95や53.69の月足のレジスタンスラインで抵抗にあい大きく下落して週を終えました
直近のレジスタンス
53.15 青いライン
53.69 緑のライン
53.95 緑のライン
49.30~49.40のレジスタンスを明確に上に抜け勢いよく上昇して
たどり着いた場所に3つのレジスタンスゾーンが控えています。
53.15は週足の200SMAがある場所。
53.69~53.95は2020年の2月くらいからW型のダマシ上げと見せかけて
暴落を見せた上の終値のライン。
今のところ、この2点を高値に売られて大きく下落しているので
それなりにレジスタンスとして意識されていると思われます。
直近のサポート
49.30 赤色のライン
週の始めに大きく戻り高値を売られましたが47.10付近で押し安値を形成して大きく上昇しました。
その時に上に抜いたレジスタンスが49.30なので、ここがサポートになるか
もしくは5日SMAと転換線が押し安値として機能するかって感じですかね。
ただ、日足レベルの直近の押し安値は47.3あたりにあるので
ここを割れなければ、まだ下落転換したとは言い難いので
上昇トレンドが継続するかどうかは、この辺りを明確に下抜けた時に
どのような動きをするのか見ておいた方がいいと思います
WTI原油のCFTCのポシション状況を比較
週末に発表されるCFTCのポジション状況を記録して
合わせてiFOREXで見れる個人投資家のポジション状況を比較して
市場参加者の心理を紐解いて、今後の相場展開を予想していこうと思います。
基本的に個人投資家が多めに持っているポジションは負け易い傾向にあるので
それを基本概念に入れて市場心理を解説していきます。
WTI原油のCFTCのポジション状況
買いが少し増えて、売りが減っている。
とくに小口投機が減っているのを見ると高値でロスカットしたかのような動き。
週末は売りに押されたので直近の高値レジスタンスまで
ストップハンティング入って刈られたのかもしれない。
WTI原油の個人のポジション状況
個人投資家のショートが消えてロングに切り替わる。
原油価格は51ドルから反転上昇して勢いよく54ドル手前まで来たので
そのあたりでロスカットしたのだと思う。
そこからロングが増えているのを見ると
ショート勢がドテンロングしたか新規に買いで入ったのだろうと推測する。
週末に大きく下落して、週の終値を僅かに下に抜けたので
下押しを警戒したいところ。
WTI原油のポジション状況 まとめ
僕個人的に押し目を待ってロングをしようと計画していましたが
個人投資家がショートを損切ってからロングに切り替えてきているので
ポジション状況の推移を見て決めようと思います。
市場全体的に調整色が強くなってるので
安易に個人投資家と同じ方向でポジションを持ちたくないのが理由です。
週の終値を比較
2020年12月04日 46.11 (+57pips上昇) OPEC会合で減産は徐々に解消だが、市場参加者はポジティブにとらえる
2020年12月11日 46.56 (+45pips上昇) イギリスで新型コロナワクチンの接種が始まる
2020年12月18日 49.03 (+247pips上昇) アメリカで新型コロナワクチンの接種が始まる
2020年12月25日 48.29 (-74pips下落)
2020年12月31日 48.18 (-11pips下落)
2021年01月08日 52.61 (+443pips上昇) バイデン政権+上院下院が民主党が制覇、サウジが自主減産発表、協調減産もおおかたの減産幅で合意
2021年01月15日 52.11 (-50pips下落) バイデン氏が発表した財政出動は織り込み済み、原油市場では需要の回復は見込めないとアナリストが言う。中国がロックダウンで原油価格が下落
まとめ
WTI原油の1週間の流れをまとめると以下のようになります。
- バイデン政権で大規模な政府支出となる期待感から米長期金利上昇でドル高となっておりドルの上昇と金利上昇によって原油価格は割高と判断され上値を抑えられた
- サウジの自主減産とアナリストの分析により需要面や企業収益にポジティブな事から原油価格は上昇
- トランプ大統領の弾劾訴追に向けた審議が行われ、バイデン政権の大規模な政策の議論が遅れるのではないかという思惑から景気敏感株が売られ、エネルギーや素材、工業株などが売られた事が嫌気され原油が冴えない
- 中国の原油の輸入が良かった事、EIAの在庫統計の原油在庫が減った事、アメリカの次期政権が打ち出す景気刺激策で需要が上がる見通しから原油価格は上昇
- FRBパウエル議長の発言でインフレ2%を超えるのを確認したいようで厄介なインフレや不均衡が来ない限り、利上げはしないと発言。また、価格1回限りの上昇をインフレとは言わないと発言した事や利上げ時期はまったく近くないと発言した事を受けて原油価格は上昇
- 中国の複数の都市でロックダウン措置が取られた事が嫌気され原油は売られました
- バイデン氏が1.9兆ドル規模の景気刺激策を発表しましたが、アナリストによるとバイデン政権が発表した1.9兆ドル規模の新たな景気対策案は原油の需要を押し上げるには不十分との見方が出て原油は失望売りが入る
- エクソンモービルが所有する南部パーミアンのシェール資産が過大評価されているとの告発を受けて証券取引委員会(SEC)が調査を開始した事が嫌気されエネルギー株が全体的に売られてる状態になっています
- 個人投資家がショートをロスカットし、ロングに転じている…
週末は失望感とリスク回避ネタで原油は売られ
その中で個人投資家はショートを高値損切りしてからロングに転じている。
個人的には押し目を狙ってはいましたが
個人投資家のロングポジションの推移を見てから決める事にします。
個人投資家のドテンロングもそうですが
全体的にリスク回避ネタで売られてきているので警戒しとかないといけないなと思いました。
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