WTI原油 OPEC・非加盟国の会合でメキシコが減産拒否 トランプ大統領が仲介役になるも失敗して失望売りで原油価格が暴落へ テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析 CFTCポジション比較から相場を予想 2020年4月10日(金)の週を終えて
2020年4月10日(金)の週を終えて
WTI原油のチャートとCFTCの大口の動向、そして個人のポジション状況を見ながら
相場の分析をしていきます。
チャンスがあれば海外ハイレバ口座と国内先物口座を利用して、トレードしていくつもりでいます。
それでは、各章の状況を見ながら、相場を予想していきます。
WTI原油 テクニカル分析と大口と個人のポジションから相場の強弱を予想(2020年4月10日(金)の週を終えて)
#WTI原油・俺ニカル分析
— 堅実なる投機家@-491万7112円・原油相場で負けた男 (@kenjitutouki) April 11, 2020
2020年4月10日の週を終えて
・G20でメキシコに減産の合意を求める事ができず
アメリカがメキシコの減産量を約半分を肩代わりすると言ってもダメだったらしい…
最悪のファンダメンタルズだよ😱
・在庫は増えてる
・リグ稼働数は先週に引き続き減った
・個人の92%が買い pic.twitter.com/bacmJcZjkS
上記ツイートで大枠について述べていますが
この内容をもう少し深く掘り下げて解説していきます。
WTI原油の在庫状況
API在庫の状況
- 原油在庫が先週に引き続き1000万バレル以上も増えています
- ガソリン在庫も増え始めました
- 留出油は減少傾向に変わりはありませんが、減り方がいまいちになってきています
- クッシング在庫も年初来の増加幅を見せています
EIA在庫の状況
- 原油在庫が1500万バレル以上の増え方をしているのが目立ちます
- ガソリン在庫も1000万バレル以上増えました
- クッシング在庫も年初来の増加幅になっています。
- リグ稼働数は先週に引き続き、大きく下げてきています。
先週に引き続き、注目度が高いのがリグ稼働数です。
前週比で58も減りました。
WTI原油の価格は現在は2016年台の大暴落時の価格帯で推移しており
その時のリグ稼働数は300台なので、もう少し下げる余地はありますが
リグ稼働数を下げ始めた事実は変わりないので
今後の推移を見ながら価格の変化を見て行った方が良いと思われます。
WTI原油のCFTCのポシション状況を比較
3月31日と4月07日の比較
- 大口投機が大量の買いを入れてきました。(年初来の買い保有量を更新しました!)
- 小口投機かも大口に続いて買いを入れています。(こちらも年初来の買い保有量を更新しました!)
WTI原油の個人のポジション状況
4月04日と4月11日の比較
メキシコが合意に賛同しかねるといって会合を退席
G20でもう一度、話し合いが行われ
アメリカがメキシコの約半分の減産を肩代わりすると言っても
協議はまとまらず合意する事ができなかった。
この状態で個人の買いポジが92%と膨れ上がっており
価格は5ドル近く下落している(500pips下落)
28ドルを付けて上昇を見込めるかなと思ったけど
この状況で、さすがに押し目を買う気にはなれない…。
WTI原油 テクニカル分析
先週引いたサポートラインのおさらい
- 26.03を復活して上昇するかに見えたWTI原油だが…結局、ここを耐えきれる戻りを売られる形となる
- 底打ちと判定するための23.40越えも、週の終値で僅かに下回って終えてしまう
直近のレジスタンス
26.03 赤い線
2016年の大暴落の安値を超えてくると、戻り高値と見られて売られる事が多いので
まずは、ここを超えてから下回らない事が重要だと思います。
ここが第一の直近レジスタンスだと思われます。
直近のサポートライン
3月16日から3月20日の週につけた安値20.04 黄色の線 (3月18日につけた安値)
19ドル台に入る事はありましたが、
3月30日から4月1日の3日間、耐えて終値で見ると20ドルを下割れずに暴騰していったので
ここが直近で意識されるサポートラインだと思われます。
WTI原油 ファンダメンタルズ分析
2020年4月06日(月曜日)から4月10日(金曜日)の週のファンダメンタルズを分析していきます。
4月06日(月曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
OPECと非加盟国による協議が6日に行われる予定だったのが
9日に延期となったことから、減産合意への期待が薄れて
失望感から売りを誘った。
この日、万が一、速やかに合意ができない場合は
アメリカとカナダは石油の輸入に制裁関税をかけると明言している。
始値・高値28.79 → 終値26.28 (251pips下落↓↓)
4月07日(火曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
前日のOPEC会合の延期が嫌気され原油は売り込まれる。
また、減産協議にはアメリカが減産に参加する事が条件とした事で
アメリカ側は200万バレルの減産を見込んでいるけど、
これはアメリカ政府の介入によるものではないとしたことで
OPEC手動の減産への不参加を示した。
これを受けて、失望感を誘って原油は前日に引き続き売り込まれた。
高値27.21 → 終値24.24 (297pips下落↓↓)
4月08日(水曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
OPECと非加盟国の会議が9日に開かれ、さらに10日にG20エネルギー相による
ビデオ会合を開催し、エネルギー市場の安定化確保を目的に話し合うとの事から
減産合意できると期待され原油が買われた。
ロシアのタス通信によるとOPECプラスは5月から少なくとも7月末まで
減産を協議していると報道された。
これを受けて減産の合意がまとまるとの期待でWTI原油は買われた。
安値23.72 → 終値26.10 (238pips上昇)
4月09日(木曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
一部通信社の報道で、OPECプラスは段階的な減産を協議し
- 6月まで日量1000万バレル
- 12月まで日量800万バレル
- 来年4月まで日量600万バレル
これらの減産を計画していると報じた。
この減産報道が期待され、高値圏で推移していたものの
メキシコが減産に反対し、会合から退席したと報道され
減産合意がまとまらなかった。
これを受けて失望売りを誘い、WTI原油は高値から売り込まれる結果となった。
高値28.32 → 終値23.18 (514pips下落↓↓↓)
4月10日(金曜日) WTI原油のファンダメンタルズ分析
グッドフライデーのため、市場は休場。
この日、G20エネルギー相会合が行われ
OPECと非加盟国などが石油価格安定化のための協議が行われた。
OPECと非加盟国は5月と6月に1000万バレルの減産を行う事で合意したが
メキシコを減産合意させるには至らなかった。
アメリカがメキシコの減産量の約半分を肩代わりすると仲介役にたったものの
減産合意に至る事はできなかった…。
アメリカのエネルギー長官は2020年までに
日量200万~300万バレル減少する可能性があると述べている。
G20会合では『エネルギー市場の安定確保に向けた措置をとる』との言及にとどまっただけで終わる。
メキシコへの減産要求は40万バレルなのに対して、メキシコが提示したのは10万バレルだった。
一番、大きな問題はメキシコが減産に参加せず、この会合を終えたことでしょうね…。
週の終値を比較
2020年3月21日 23.40
2020年3月27日 21.80
2020年4月03日 28.79
2020年4月09日 23.18 (-561pips下落↓↓↓)
当面の高値は28ドルで
23ドルを明確に上抜いてから28ドルを超えないと
上昇トレンドは望めないのかもしれませんね。
まとめ
WTI原油の1週間の流れをまとめると以下のようになります。
- 減産が期待されたがメキシコがゴネて減産合意に至らず
- G20エネルギー相の会合でアメリカがメキシコの減産量の約半分を肩代わりすると言ってもメキシコを納得させる事ができず
- この事から失望売りを誘って原油価格は売り込まれる結果となった
トランプ大統領が介入してきてもダメか…
しばらく原油価格は低迷するのかもしれませんね…。
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